パ音インタビュー
11月3日、もう一組のアーティストがパソコン音楽クラブです。
西山氏・柴田氏の2人によるユニットで、活動歴はすでに10年を超えます。2026年7月某日、東京で行われたインタビューをお届けします。
結成のきっかけ
——結成のきっかけを聞かせてください。
西山:柴田君と出会ったのは大学3、4年生の頃。2014年前後なので、10年以上前ですね。共通の知り合いから「バンドをやりたいから」と誘われて、僕はギター、柴田君はキーボードで参加したんです。普通のポップスバンドでした。
大人数で曲を作るのが難しくなって、なんとなくやる気がなくなっていったんですが、その中で柴田君と友達になりました。
——そこから電子音楽へ?
西山:柴田君の「電子音楽って面白いよ、打ち込みで曲を作ってみよう」という一言がきっかけです。大阪日本橋のソフマップ・クリエイターズランドで、お金を握りしめて機材を買いました。曲をSoundCloudにアップロードするのにアカウント名が必要で、そこで付けた名前が「パソコン音楽クラブ」です。
——ライブ活動にはどうつながっていったんですか?
西山:ネットレーベルのMaltine Recordsに音源を送ったら声をかけてもらえて。後にMilk Talkとなるユニットの前身からリミックス依頼が来たんです。右も左も分からないまま、ライブにも呼ばれるようになりました。
音楽的アプローチ
——お二人の音楽への向き合い方には、違いがあるそうですね。
柴田:バンド時代、スタジオ代がもったいなくて自分で録音するようになって。西山君は録音機材にすごく詳しかったんです。僕は電子音楽を聴いてはいたけれど作るノウハウはあまりなかったので、そこで話が合いました。
西山:宅録が好きなのは今も変わりません。録音したフレーズを何度も編集で作り変える瞬間に、いまだに強い感動を覚えます。
柴田:僕はヤフオクやメルカリを眺めて着想を得るタイプで。訳の分からない古い雑誌や雑貨に、いつも惹かれてしまうんです(笑)。
——初期に影響を受けた音楽は?
西山:電気グルーヴです。2人組で、友達同士から始まったところが似ているなと。あとは関西のオーガナイザー・zicoさんのイベントにも刺激を受けました。柴田君の家でよく聴いていたTychoや、シューゲイザー、フュージョン、シティポップも今の土台になっています。
活動10年について
——活動10年を振り返って、いかがですか?
西山:自分たちとしては、そんなに大きな節目の感覚はないですね。変わらないものと言えば「編集」。最初から何も変わっていません。
柴田:趣味性を残す意地のようなものは、ずっとあると思います。まず自分が楽しむこと。その状態をどう残すか、をずっと考えています。
KURANGE(サカナクション)への想い
——同じ夜のステージに立つKURANGEについてはどう思われますか?
柴田:お二人は基本的にサカナクションの「音」を作っておられて。僕らの世代は何かしらの影響を受けているくらい、本当に大きな存在のバンドです。
西山:バンドとして完成されていながら、ダンスミュージックとの距離感を常に考え続けてきたグループだと思っていて。KURANGEのお二人は、サカナクションで言えばサウンドデザインやプリプロダクションの部分を強烈に担ってきた方々。編集好きの自分にとって、刺さるサウンドになるんじゃないかと、すごく楽しみにしています。
blueoverとstructへの想い
——blueoverやstructとの縁については?
西山:大阪で活動を頑張っていた頃からずっと呼んでいただいていて。靴屋さんの活動としてはあまり類を見ないような、不思議な縁があったんです。おかげでつながったご縁もたくさんあって、本当に感謝しています。今回のイベントもその延長にあるものとして、絶対に成功させたいと思っています。

